ISBN:4061822330 新書 西尾 維新 講談社 2002/02 ¥1,029

最近西尾氏は、何かと祭り上げられている様な気がします。

巷ではよく、「戯言」という言葉を目にするようになりましたが、
それというのも全てこの、西尾維新が築いた「戯言使い」から広まったものです。

全部で9冊あるこのシリーズ。
全部を通して読んでみて思ったこと。
中心軸がずれています。
読者は知らず知らずのうちに彼(彼女?)の文体に引き込まれ、
どちらかというと文章の展開や、詭弁だけで世渡りをする「いーちゃん」(主人公)に心惹かれたのではないかと思うけれど、
実はこの話、出発点はミステリィだった。
なのに二作目からもう話の方向がずれてしまっていて。

要はミステリィ→大量殺戮→世界的対立
に発展していってしまった、そんな気がするのです。
約束破りの最強キャラまで登場するし
非現実的な半アンドロイドな人間も出てくる。

結局SFでしかなかったのではないか、
今はそう思って止みません。

確かに面白いです。文章の展開が言葉遊びになっていて、
読み進めやすいといえばそう。
時々インテリな人々が難しい理論を語っても、
なんとなく解ってしまうのは、それが簡単なことを言葉で複雑化させてしまっただけのものであったり。
(勿論そうでないものも存在しますが)

流行に乗る、という意味で一読しても良いとは思いますが、
最後まで読み終えたときに、
結局、この長い前置きは何?と言いたくなる位のあっさりとした、お決まりの結末なので、
それを承知の上で読むことをお勧めします。

(ただ、一冊一冊の間にある程度のブランクが存在するなら、
物語のスケールが大きすぎて、逆に最後には普通がないと落ちない、
のかもしれませんが)

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