ISBN:4061848925 文庫 村上 春樹 講談社 1991/04 ¥490

村上春樹の良さがわからない。

これは悪いことなのか良いことなのか私自身も白黒付け難いけれど
兎に角私はこの手の文章に読む価値が果たしてあるのか
とても疑問に思う。

今日村上春樹の本が、人気なのだそうだ。
私も三年前、彼のこの小説の英訳版に出会い、読み解いた時には
面白そうだなと興味を引かれた。

しかしそれは、表面的なものだけだった、というわけだ。
たとえ一部分切り取って面白くても、全体じゃ一体何がしたいのかわからない。
主人公のやっていることがグダグダで
周りの自我が強かったり、でしゃばりな人間たちに振り回される主人公。
未だ彼の作品は二作しか読んだことはないけれど(それも彼嫌い故のことだが)
どちらにしろ主人公はあまり動作主体ではない気がする。
現代人はよく、受身とか受動的とか言われていて
(というような記憶だが、間違っていたら御免なさい謝ります)
そんな主人公に、上手く簡単にシンクロすることが出来るのだろう。

しかし、まるでスカスカで、色素が殆ど残っていない海面の様な小説であることに変わりはない、
と私は思う。

数年前に「ライ麦畑でつかまえて」の翻訳も手がけた様だが、
(真に勝手な解釈だけれど)サリンジャーは訳がさっぱりとしているからこそ
作品の崇高さ、奥深さが出るものであって
べたべたと張り付くような粘っこい訳は、
所詮無駄な装飾であるとしか考えられない。

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