少年アリス

2006年3月20日
ISBN:4309005454 単行本 長野 まゆみ 河出書房新社 1989/01 ¥1,260

長野まゆみさんの本は、どこか他の作家と違う雰囲気を持っている。
大正・昭和ロマン的な匂いの世界というか
どこか現代とはパラレルの世界の様な雰囲気で
その不思議な雰囲気が匂い立つ色香となって漂っている、
というのが今のところの彼女への印象です。

表現が綺麗なのでよく読んだりしますが
話自体には、彼女の偏愛趣味が滲み出ている感じが否めません。

私の詩が好きな方とかは
彼女の作品を割と好きになっていただけるかと思います。

ポプラの秋

2006年3月18日
ISBN:4101315124 文庫 湯本 香樹実 新潮社 1997/06 ¥420

4、5年前、ラジオドラマでやっていた断片が
妙に頭に焼き付いていて、気になっていました。
湯本香樹実さんのもうひとつの作品である「夏の庭」は
多分誰か有名な人が宣伝していたように思いますが
私としては、こっちの方が好みです。

こぢんまりとしてどこか当て所ない、
ゆったりな様で果敢ない時の流れ。
秋色に染まる頃に読書するのをお薦めします。
ISBN:408774731X 単行本 山田 正紀 集英社 2005/03 ¥1,890

愚かなことですが
山田正紀氏と山田悠介氏を勘違いしていました。
全く反省すべきです・・・。
けれど両者ともに、ホラーを書いているので、
勘違いが起きたことは、大目に見て欲しいかな。

そんな思い違いが起こった中でこの本を読んだ私は
悠介氏にしては良く出来ていて渋いと思いました。
失礼ながら私は悠介氏のホラーは
薄いオカルトホラーという認識しかないもので、
それにしてはずいぶんとドロドロを描くなぁと感心したんです。

いくらかグロテスクな描写が続いたり、
殺人が当たり前のように繰り返されたりはしますが、
複線の張り方は、さすがベテラン作家というべきでしょう。

六番目の小夜子

2006年3月8日
ISBN:4101234132 文庫 恩田 陸 新潮社 2001/01 ¥540

かなり前、NHKでドラマ化していたことを覚えています。
この作品の核である津村沙世子を、
今は売れっ子女優の栗山千明が演じていたことが
何より印象的でした。

今はどんだけのスピードで書いてるんだ?というくらい
作品を数撃っている恩田陸の初期の作品ですが
ストーリーとしては上出来。
まぁホラーとしてもまぁまぁかと思います。
読んでも損はないですね。
ISBN:4102057013 文庫 野崎 孝 新潮社 1986/01 ¥460

この作品の著者は、
「ライ麦畑でつかまえて」でお馴染みのサリンジャーです。
でもライ麦のように一般ウケってわけではなくて
マイナー向け、って感じでしょうか。
・・・って「ライ麦」読んだ事無いからわからないのですけど(汗

この本は、友達によると「読む人が途中で挫折する本」らしいのですが
私に言わせれば漱石の「吾輩は猫である」の方がよっぽど挫折します。
訳者が上手いのか、原文が良いのか、テンポが良くて、するすると読めてしまう感じ。
久し振りにあまりつっかえつっかえせずに読めた本です。

まぁ好き嫌いが分かれる本でしょうけれど、
私としては大プッシュです。サリンジャーの真髄はこちらにあります絶対。

「フラニーとゾーイ」とか「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」も読みたいな近々。

スカイ・クロラ

2006年3月4日
ISBN:4120031586 単行本 森 博嗣 中央公論新社 2001/06 ¥1,995

この本は私の中でバイブルとなりつつある。

空は純粋で崇高で我儘で綺麗で神々しくて何処までも何処までも青く澄んでいる。
直向に青く、ときどき湿った雲に覆われてしまうけれど、そんな青に魅せられて、パイロットは空を飛ぶのかもしれない。

パイロットは空に近づくとき、魂が洗われるような感覚を覚えるのかもしれない。
でも空でいくら綺麗になったからといって、所詮地上に戻らなきゃいけない。其の事を考えると、空で美しく散った方が良いと、彼らは考える。

今とは同じようで違う、パラレルワールドで展開される、いつまでも“キルドレ(children)”のパイロットたちの物語。

著者が工学部助教授なので、メカ好きがあからさまに文章に出ていて、最初は何が何だかわからないと思いますが、文章の装飾程度に考えれば読み流して良いと思います。
例えば某囲碁漫画の主人公が思っている手の解説を読み飛ばす感じで。

あと、この本は、中央公論社(単行本)、講談社ノベルスで同じ本が発刊されていますが、
断然ここで紹介している中央公論新社の本が良いです。
深い青のグラデーションに白い雲の層が広がっている写真が表紙で、透明なビニールのカバーがかかっています。
これは装丁に惚れる一品です。

こどもの一生

2006年3月2日
ISBN:408774678X 単行本 中島 らも 集英社 2003/12 ¥1,785

これは私の中で一番ヒットした。
著者が正気じゃない、寧ろ躁うつ病でラリってるときた。
スプラッタ以外の何物でもない後半の展開がやばい。
というか完全B級ホラーなところが大好きだ。
初めて読む作家だけど、こんなにのめり込んだのは初めて・・・かな。

まぁ全部の人にお薦めというわけではないけど
ホラー・グロテスク・スプラッタ・B級ホラーが好きならば
読んでみては。

ちなみに原作は小劇場用の劇だそうで。
・・・あれ、どうやって芝居にしたんだろ(汗

夜市

2006年2月26日
ISBN:4048736515 単行本 恒川 光太郎 角川書店 2005/10/26 ¥1,260

図書館の購入希望図書で買っていただきました。
本屋の店先で、装丁の美しさに惹かれて。

内容は、幻想的で、現実離れした文章。
最初は、「これがホラーか?」と疑問を抱いたけれど
異世界物語としては読み甲斐はあると思います。
些か設定に無理があるのでは?とも思いますが。

どちらかというと、書き下ろしの方が私は好みかな。

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